第57代理事長所信

 

はじめに

 一般社団法人庄原青年会議所は昨年創立55周年を迎え、記念式典並びに祝賀会、さらには10月に記念事業「庄原eスポーツ」を盛大に開催させていただく事ができました。これは偏に1965年の創立以降、歴史を刻みながら庄原青年会議所を継承していただいた先輩諸兄並びに関係各位皆様のご支援の賜物であります。ここに改めて感謝申し上げます。

 青年会議所がある時代から青年会議所もある時代になり随分と時間が経ちました。庄原市にも現在青少年育成事業を展開する団体から社会貢献事業を行う団体まで様々ありますが、それらは同じ思いを持ちながら違う方向を向いて行動しています。より良い社会を目指すのであれば、手を取り合い互いの足りない所を補いながら進むべきだと私は考えます。

「啐啄同時」

 「啐」は卵の中の雛が内側から殻をつつく音。「啄」は卵の変化に気づいた親鳥が外側から殻をつつく音。どちらか片方がつついたのでは殻の突破は困難で、同時につついた時殻が破れ、中から新しい命が出てきます。庄原青年会議所が雛なのか親鳥なのかはその時々で違うと思いますが、我々の理想とする社会の実現のためには、つついてくれる相手方が必要です。しかしながら、我々の事業は青年会議所の運動であり、他団体の活動に乗ずる事ではありません。「らしさ」を失わず前面に押し出し、高い次元での啐啄を行う事が重要です。

 啐啄同時を辞書で引くと、絶好の時・絶妙のタイミングなど出てきます。2019年に発生し世界中で猛威を振るい続けている新型コロナウイルス。日本国内でも93,000人以上が感染し、1,674人の方がお亡くなりになっています(2020年10月18日現在)。世界を見ると状況はもっと深刻で感染者数39,670,000人以上、死者1,109,833人(2020年10月18日現在)。正に混沌とした時代。今だからこそ青年会議所の運動を展開しましょう。活動を止めてしまった団体を引っ張りながら共に前進するまたとない機会です。新型コロナウイルスを軽視するのではなく、しっかりと対策し、一丸となって運動を展開しましょう。

 

時代に合わせた組織進化と会員増

 2021年度は21名でのスタートとなります。近年会員拡大を急務と捉え行ってまいりましたが、結果が伴いません。本年度も組織図を作るうえで大変苦労しました。委員会数は減らせても例会事業数は減らせない。基本が兼任で、降格人事もやむを得ない状況。この状況をこのまま継承して行っては絶対にいけません。

 近年よく見られるケースが、庄原青年会議所をよく知った方の入会は無く、よく分からない方が活動内容を聞いて入会したと言うケースです。そんな近年の状況下、私たちは不変を胸に拡大を行っておりましたが、限界がきており組織の時代に合わせた進化が必要となっております。青年会議所は組織の運営能力が学べる唯一無二な場で、私は普段組織には属していませんので大変ありがたい経験を積ませていただいています。しかし、これを前面に出すと会員は減り組織の存続は難しくなります。入会する大半の方は組織を学びに来ているのではなく、地域を少しでも良くしたいと言う気持ちで入会しているからです。一人の限界を感じた時初めて組織のありがたさが分かり、組織の一員として機能していくものです。その順番を間違えては、何の為に行っているか分からなくなり、組織は分解していきます。修練も同様で修練は絶対に必要ではありますが、行き過ぎた修練や、はき違えた厳しさは見直さなくてはなりません。これは指導する側の問題であり、庄原青年会議所の今後を考える上では避けて通ることができない課題です。どうすれば個人の能力を最大限まで引き出せるのか、どうすれば楽しいと思わせる事ができるのか、どうすれば庄原青年会議所を後世に残せるのか。常に考えながら行動し変化を促す事で、継続的な会員拡大が行えるのではないでしょうか。

 このままでは3年後会員が一桁になります。庄原青年会議所は絶対に無くしてはなりません。全会員が当事者意識を持ち会の為にも自身の為にも本気の拡大を行いましょう。

 

力強い庄原の発信

 庄原青年会議所は最低でも年間12事業行っており、昨年のコロナ禍においても12事業プラスブロックアカデミー主管や備北応援プロジェクトなど行ってまいりました。しかし、それが一般の方にどれくらい伝わっているのでしょうか。どれだけ素晴らしい事業を考えても参加者がいなければ意味はありません。参加者がおり素晴らしい事業になったとしても、事業報告が皆様に伝わらなければ次に繋ぐ事ができません。毎年ホームページや4つのSNSで広報は行っていますが、お決まりの募集と報告だけに留まり、あまり効果を上げていない現状があります。その現状を打破する為にも大幅な広報計画の見直しが必要です。

 まずは地域全体を含む我々の強みの抽出とストーリー付け。そこから内容にあったメディアの選択をし、切り口を考える必要があります。庄原と言う地域性を考えた時、まだまだマスメディアが強いと感じます。しかし、マスメディアに取り上げてもらうには、今是非記事にしたいと思わせる内容(ストーリー)が必要です。ストーリーが充実していればマスメディアの目に留まり、記事にしていただければ沢山の人の目に留まります。マスメディア、WEB メディア、ソーシャルメディア全てを上手に使い、最大限の広報を行いましょう。

 

次世代育成による故郷(こきょう)の矜持

 コロナ禍で新しい働き方が生み出され、都市部から離れたサテライトオフィスなどが 脚光を浴びていますが、依然として東京一極集中と都市部への人材流出は続いています。2005年での20歳~39歳、庄原市若者世代の人口は7,264人。昨年2020年では5,038人。わずか15年で2,226人、31%減となっています。この人口減少問題を解決してくれるのが次世代の育成です。故郷の良さを知り、故郷に矜持を持っていれば、一度都市部で就職した若者が帰ってくるのではないでしょうか。故郷に矜持を持った、庄原で今後活躍してくれる人材を育てましょう。

 大手企業が地方拠点を考える際、地域の教育環境を重視するようです。教育が整った地域では優秀な人材が確保できるだけでなく、これから働き手となる世代も優秀であり続ける事ができるからです。優秀な人材が集まる所にしか優秀な人材は集まりません。保護者含む関係者の意識を変革し、選ばれる庄原を創りましょう。

 青年会議所運動を魚釣りに例える事があります。お腹を空かせた方に、食べ物を送るのが青年会議所の事業ではなく、魚の釣り方を教えるのが青年会議所である。会員であれば一度は聞いた事があるのではないでしょうか。しかし、これでは不十分で、自身で考えて魚釣りを思いつく、考え方を身に付けていただくのが青年会議所の姿ではないでしょうか。青年会議所の設えが完璧で、スムーズな事業実施は重要な事ですが、それで何人の意識が変革されるのでしょう。共に考え、共に歩み、共に汗をながし事業を構築していく事ができれば、少人数かもしれませんが事業対象者の意識変革に繋がるのではないでしょうか。「次世代の育成はすべての事業に通ずる。」可能性を最大限模索し、本当の意味での次世代の育成を行いましょう。

 

共感と共創

 新型コロナウイルスが蔓延し世界経済は大打撃を受けました。先行きの経済は改善基調を辿るとみられていますが、世界的に感染症の影響が残るなかで、そのペースは緩やかなものにとどまると言われています。そんな中我々ができる事は何でしょうか。今だからこそできる事、今しかできない事は何なのでしょうか。しっかりと周りを見渡し、選択していきましょう。

 今後のまち全体を考えた時、包括的プラットフォームの構築が不可欠であると感じます。はじめに書いたように他団体様々な方向を向いており、方向性を決められる取りまとめのできる公平性を持った団体は青年会議所だけだと思います。庄原青年会議所が、情報が蓄積される「地域拠点」となり、仕組みの整備に留まらず、相互に密接に関係を築いて行く事で、方向性のあったまちづくりが可能となります。この構想は実際に軌道に乗せるのは非常に難しく、1年2年でできる事では無いのかもしれません。しかし、このまま放っておける問題でもありません。青年会議所は創立当初より青年会議所の運動とは指導力開発(LD)と社会開発(CD)と言われてきました。近年では社会開発は素晴らしい内容で展開していますが、指導力開発は影を潜めています。青年会議所の指導力開発とは、集団指導力と集団運営能力の研究実践であり、自らを訓練しその力を地域へ還元する。地域の方を目標に向け一致協力しながら共進させる事です。ここで重要なのがリーダーシップは青年会議所会員がとりますが、今後事業を継続させるのは他の関係者である為、関わった関係者の中からまちづくりができる人材を育成していかなくてはいけません。そうする事で青年会議所の手を離れたとしても、自立し存続していけるからです。

 共感し合える仲間を集め、共に新しい未来を創っていきましょう。

 

新しい形の確立

 組織進化と重複する部分もありますが、組織も新しい在り方にならなくてはいけません。優れた組織と凡庸な組織との違いは、メンバーが要求された仕事以上のことを実行する意欲があるかどうかで分かれます。協調の前提は個人の確立であり、各自の主体的な行動が真の協調であって抑えつけた物であってはならない。これが改善された時、強さを兼ね備えた真の組織となり、庄原青年会議所は地域と共に発展していきます。今までの対外事業ではいかに人を集めたかが重要視されて来ましたが、新型コロナウイルスの蔓延により集める事が難しい状況が続いています。しかし、この状況が何年も続けば意識は低下し元の姿になるには更に何年も時間が必要となります。感染予防対策をしっかりと行い、新しい形での実施を模索しましょう。絶対に我々の世代で途絶えさせてはならない。我々の世代で新しい形を確立し、次世代にバトンを渡しましょう。

 

結びに

 私は40歳までは人生において種蒔きだと考えています。40までにどれだけ失敗や成功体験を積みかさねる事ができるか、40までにいかに刺激を受けるか、そして何よりかけがえのない友ができるかで今後の40年が変わってくると思います。そういう意味では青年会議所はうってつけで、良い意味で青年会議所を利用して成長していただければと思います。そしてこの貴重な体験を一人でも多くの方に共感していただく事で、明るい豊かな社会の実現が近づきます。皆さんが、家族が、地域の方がより素晴らしい未来を過ごせるためにみんなで種を蒔きましょう。

 

今を楽しんでいるか

今を輝いているか 

今を大切に生きましょう

今を全力で生きましょう

『我々はまだ若い』

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